野村将揮
選んできた道のりの正しさを
更新日:2018年10月31日
体温が上がったり発汗したりすると身体の輪郭のあわいが収奪される心持ちになる。夏はほんとに雑な季節だと毎年思う。次に秋が続くというのもタチが悪い。依拠していたはずの何かしらを全て疑いたくなる。やはりこれも内的に勝手に付与してる心性なのかも知らんが、この歳になっても尚残存しているというのは、控え目に言ってもやはりタチが悪すぎる。過去を振り返って何かを見出す時分も(大方)とうに過ぎており、その意味でもやはり拠り所が無く頼りないとしか言えない。もはや季節性のものなのか、性分なのか、一般的にそういう時節なのか、よもや判断が付かず、或いは判断を下すまでに心を労すことすら億劫で、祈りに縋るしかないのかと。
『ロストマン』